高齢者の食べやすいおやつは、ゼリーやプリン、果物などです。かむ力や嚥下機能の低下を考慮して、 なめらかな食感で水分量の多いものを選ぶとよいでしょう。この記事では、おやつや間食の違いや必要性、 高齢者が食べやすいおすすめのおやつなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
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おやつとは?間食との違い

おやつは心を満たすためのものです。語源は、14時頃から16時頃までの「八つ刻(やつどき)」に食べる間食に由来します。 一方、間食は栄養補給を目的とした軽食で、1日の食事で不足分を補うものです。現在では、おやつと間食に違いはなく、どちらもほとんど同じ意味で使われています。

高齢者におやつや間食が必要な理由

「高齢者におやつや間食が必要な理由は、栄養摂取だけでなくフレイル予防にも役立つためです。 フレイルとは、高齢者の身体機能や認知機能、社会的なつながりなどが低下した状態を指します。 加齢によって心身の活力が衰えるため、治療や予防によって早めに対策することが重要です。 高齢者の健康と生活の質の維持は、社会全体の課題の1つでもあります。年齢を重ねるほどフレイル予防の必要性が高まるため、おやつや間食を取り入れることが大事です。

高齢者がおやつを食べるメリット

おやつは栄養や水分などを補給する役割があります。ここでは、高齢者がおやつを食べるメリットを解説します。

栄養補給

おやつは食事で不足しがちな栄養を補うのに役立ちます。 食欲がなくても食べやすいおやつも多く、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを摂取する際に効果的です。 高齢者になると食事量が減りやすくなり、栄養バランスを整えるのが難しくなります。食事のみでたんぱく質をはじめとする栄養を摂取するのは困難なため、 おやつを活用することが有効です。

食水分補給

ゼリーや果物などのおやつは脱水予防に効果的です。 高齢者は体の水分量の変化に気付きにくいため、無意識のうちに脱水状態になる場合があります。 また、加齢によって水分保持機能が低下したり、腎臓機能が低下したりする場合もあるため、おやつから水分を取ることも大切です。

エネルギー補給

高齢者の食事補助におやつを摂取すると、活動に必要なエネルギーを摂取できます。 たんぱく質をはじめとした栄養不足を防ぐことが可能です。食事量が減ると、エネルギー不足によって力が出ない、 やる気が起きないといった症状が出やすくなります。おやつを食べることで、それらを対策できます。

コミュニケーション

おやつはコミュニケーションのきっかけになり、人との交流を促す効果を期待できます。 他の人と一緒におやつを食べることで、自然と会話が生まれ、孤独感の緩和や脳の活性化も可能です。 食べることに楽しみを感じられると、毎日の生活にもハリがでやすくなるでしょう。毎日のおやつの時間を活用し、交流につなげることが大切です。

高齢者が食べやすいおすすめのおやつ

高齢者が食べやすいおやつには、さまざまな種類があります。ここでは、おすすめのおやつを解説します。

プリン・ゼリー

プリンやゼリーは喉ごしがよく、食欲がなくても食べやすいおやつです。なめらかな食感で、かまなくても食べられるため、 嚥下機能が低下した人にもおすすめできます。歯の状態が悪い人でも、 かまずに食べられる点もメリットです。プリンやゼリーはカロリー補給、水分補給もできるので常備しておくのもよいでしょう。

果物

果物はビタミンCをはじめとした栄養素を多く含みます。ビタミンCには抗酸化作用が含まれており、 細胞の老化を防ぐ働きも期待できます。果物は消化に優しく、免疫力を高める作用もあり、感染症予防にも効果的です。 果物入りのゼリーを食べると、水分が多く摂取できるため、脱水の予防にもつなげられます。

乳製品

牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、たんぱく質を補給できるのでおすすめです。 高齢者のなかには肉や魚などが食べられない人もいるため、おやつで手軽に摂取できる点がメリットです。 牛乳が苦手な人は、コーヒーや紅茶に加えて飲むといった工夫をしましょう。 ただし、砂糖入りの乳製品は、糖分過多になる点に注意してください。

カステラ

カステラはしっとりとした食感で、硬いものが食べにくい高齢者でも口当たりがよく、 比較的食べやすいおやつです。ほどよい甘さがあり、少量でも満足感が得られる点もメリットといえます。 もしそのままでは飲み込みにくい場合は、牛乳や豆乳に軽く浸して柔らかくしてから食べる方法もおすすめです。

アイスクリーム

アイスクリームは冷たくて、暑い季節でも食べやすいおやつです。 ラクトアイスよりアイスクリームの方が乳成分の含有量が多く、栄養も摂れます。 アイスクリームに含まれる乳脂肪分には、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもあります。 適量の摂取であれば健康によいため、高齢者のおやつにもおすすめです。

和菓子

高齢者は和菓子に入ったあんこを好む傾向にあり、とても人気なおやつです。 きなこを使った和菓子であれば、高齢者に不足しがちなたんぱく質や食物繊維などの栄養も補給もできます。 和菓子の原材料は、米や麦、豆類などの植物性のものが中心なので、比較的低カロリーである点もメリットです。

せんべい

牛せんべいやおかきなどを食べると、歯やあごを動かすことで脳に良い刺激を与えて、老化防止にもつながります。 ただし、歯の状態や口の中の水分を奪ったり、口腔内を傷めたりすることもあるため注意しましょう。 食べやすいサイズのものや、小分けになっているものを選ぶことが大事です。

高齢者のおやつや間食を選ぶ際のポイント

おやつや間食は、高齢者のかむ力やアレルギーなどに注意することが大切です。 ここでは、それぞれの選ぶ際のポイントを解説します。

嚥下(えんげ)機能に合わせる

嚥下機能とは、食べ物を口から胃に運ぶ動作のことです。 高齢者の嚥下機能が低下している場合、誤嚥したり喉に詰まったりする場合があるため、おやつを食べられない可能性があります。 そのため、おやつや間食を選ぶ際は、嚥下機能を考慮して飲み込みやすい形状や食品を選びましょう。

アレルギー食材を避ける

高齢者のおやつや間食を選ぶ際は、食材に含まれる卵や乳製品などを確認してください。 原材料や「同じ工場で〇〇を製造」などの注意書きもチェックし、事前にアレルギー対策をしましょう。 高齢になると、新たにアレルギーが発症する可能性もあるため、継続的な確認が必要です。

高齢者がおやつや間食をとりやすくなるポイント

おやつはとろみをつけたり、湿らせたりすることで食べやすくなります。ここでは、それらのポイントを解説します。

とろみをつける

とろみは、飲み物に加えることで飲み込みやすさをサポートする方法です。 コーヒーや紅茶、スープなどにとろみをつけると、液体がゆっくり喉を通るため、むせにくくなります。 一方で、おやつにとろみをつける場面は多くありません。プリンやゼリーといった、元からまとまりのよいおやつを選ぶだけでも、 十分に食べやすさを確保できます。

湿らせる

高齢者がおやつや間食を取る際に、湿らせてから食べるのも大事です。 口の中の水分を奪われないように、紅茶をはじめとしたおやつに合う飲み物で湿らせ、飲み込みやすくする工夫をするとよいでしょう。 ただし、一度に大量の水分を摂るとむせるため、こまめな摂取を意識しましょう。

高齢者がおやつや間食を摂る際の注意点

高齢者のおやつや間食は、適正量と食べる時間を守りましょう。ここでは、おやつや間食を摂る際の注意点を解説します。

適正量を摂取する

おやつや間食の適正量は、約100kcal〜200kcalです。目安としては、バナナ1本で約130kcal、カステラ1切れ(50g)は156kcalなどです。 食べ物によっては砂糖や油脂が多い場合があるため、種類を変えてバランスよく摂取しましょう。 なるべく毎日違うものを摂取することをおすすめします。

食べる時間を決めておく

おやつや間食の時間は、10時や15時ごろが理想です。不規則な時間に食べると、 食事量が減少したり、就寝前に胃や腸などの負担につながったりします。胃もたれを引き起こす場合もあるため、 昼食・夕食に影響しない時間を決めて、おやつや間食の時間を設定することが大事です。

まとめ

高齢者のおやつや間食には、プリンやゼリー、果物、アイスクリームなどが適しています。 食事の不足した栄養を摂取できるだけでなく、かむ力や嚥下機能が低下した人でも食べやすくなるためです。 水分やエネルギー補給にもつながるため、毎日決まった時間に適量を摂取することが大切です。 食楽膳は、SOMPOグループが運営するお食事宅配サービスです。管理栄養士が監修しており、かみやすさ・飲み込みやすい食事が豊富にそろっています。 おやつや間食なども適正量に管理されているので、高齢者向けの食事を用意する際にぜひご利用ください。    
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